ヘーベルハウスの営業さんは”家を”売っていた その2

前回の記事で、ヘーベルハウスさんの営業はライフスタイルでは

なくて、家そのものを売っていた、という話をしました。

 

鉄で出来た頑丈な箱(家そのもの)を売っている営業さんに対して、

家族との楽しい思い出(ライフスタイル)が欲しい僕との間に大きな

ギャップがあったという事です。

 

今日の話題はその続きです。

営業さんとの間でもう一つ印象に残る会話がありました。

 

ヘーベルハウスさんって、Q値(熱を失う大きさ)、C値(隙間の大きさ)

が若干大きい。要するに断熱性はあまり良くないという意味で、

高熱費が割高になる傾向にあります。

 

その点を指摘すると、

営業さん:

「うちはQ値、C値はあまり気にしていません。

簡単に言えば光熱費を気にするというステージではないんですよ。

ヘーベルハウスに住むという事を大事にしてくれるお客様を

相手にしているので」

 

筆者:

「なるほどですね。ヘーベルさんは光熱費という事を考える人を

そもそも相手にされていないんですね(笑)」

もう笑うしかありませんでした。

 

光熱費だって、ライフスタイルを考えるうえではとても

大事ですよね。

 

この点に関して、昨年一条工務店さんのモデルハウスに行った際に

面白い営業をされました。

一条工務店さんはQ値、C値に関してすごくいい数字を出していて、

省エネ住宅を大きなウリにしているメーカーさんです。

 

まず、Q値が0.7以下ですよ、C値は0.5以下で、業界で最もいい数字ですよ。

とアピールをされました。

ただそれだけだと僕からしたら「へ~、それは凄いですね」

という程度の感触です。

 

次に、営業さんが持ち出したのが、実際に一条工務店に住まわれて

いる方の光熱費の請求書。それも1年間、12ヶ月分です。

営業さん:

「24時間床暖房をつけてこの値段ですよ。こんなに安いんですよ。」

 

思わず、うまいっ!と思ってしまいました。

 

そうです、実際に生活をすると電気代、ガス代の請求書は

当然毎月見ますし、気になりますよね。

あ~今月エアコン沢山付けたから結構高かったね、とか。

 

その請求書を一年分見せられる方が、Q値だ、C値だ、と

数値でアピールされるよりよほどインパクトがありますよ。

リアルにイメージができます。

 

家そのものを売ろうとしたヘーベルハウスさん、

住んでからの光熱費をアピールした一条工務店さん、

たまたま僕には一条工務店さんの営業の方が響きましたが、

別にどちらが正解というわけではありません。

 

しかし、実際に僕に響いたのは一条工務店さんの営業トークです。

 

モノが売れない、売れにくい現代においてはモノを売るという事自体が今後

どんどんやりにくくなります。

 

昔はモノがなかった、みんなモノを持っていなかった、

だからモノがお店にあるだけで売れたし、機能がよくなれば

どんどん買い換えるという行動をしていました。

高度経済成長で所得も上がっている事も追い風になっていました。

 

しかし現代は、

所得は上がらない、

モノは溢れている、

既に性能はとてもいい、

モノが売れなくて当然ですよね。

 

だからこれまでとは違うアプローチ、売り方をする必要がある。

売れるモノはないけど、売れる売り方はあるのです。

 

今回のケースでいうと、家を購入した後のより良い生活を

イメージさせ、そのイメージを現実にするお手伝い

営業としてする、という方法です。

 

そうする事は営業側のメリット(家が売れた場合は)だけでなく、

消費者側からしてもありがたい事だと思います。

実際僕もヘーベルハウスさんに対して提案をお願いしているのです。

だってこっちは本気で家探しをしているので、正しい

スタンスでの売り込み、提案は本来はありがたいのです。

 

残念ながら望むような提案はして頂けなかったのですが、

もし理想のライフスタイル、夢を語ってくれたら恐らく

ヘーベルハウスさんのファンになり、次の打ち合わせに

繋がっていたと思います。

 

 

ちょっとした違いですが、結果としては大きく異なるという事です。

 

このブログでは今後も新しい時代に対応したマーケティング、

セールス手法というテーマについてどんどんお話していこうと思います。

 

ではまた。

 

 

PS.

人生で初めてのマイホームを目指して奮闘していますが、

本当に難しいです。

親の近くに住まないといけない、というような制約が僕達には

あまりないので土地から自由に探しているのですが、自由という

事は選択肢が無数にあるわけでこれが意外に難しい。

 

ただ、親の家からあまり遠すぎても帰省が面倒だったりするので、

車を使えば2時間くらいで帰れるところ、くらいの制約を”あえて”付けて探しています。

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