太陽電池の職人が六本木でSE(システムエンジニア)になった

こんにちは。佐々川です。

おおよそ10年前、僕は京都の大学で化学工学を勉強していました。

工場やプラントなどでの製造工程を効率よく、かつ経済的にするため、生産プロセスの
計画および製造装置などの設計・運転・建設などを勉強する学問です。

化学工学の学部を先行した理由は化学が好きだったから、もっと化学の深い部分まで
勉強したいと思っていたからです。
惚れた相手の事をもっと知りたい、と単純に思っていました。

また純粋な学問としてだけけなく、工学分野も同時に学べる化学工学という分野は
就職?かもしれないなという思惑も多少はありました。

 

しかし、大学生活をおくるうえで大きな問題がありました。
学費です。

理系の私立大の学費は約120万。
僕は学費の半額は免状される特待生に選ばれていましたが、それでも60万。
交通費、生活費などを考えると、最低でも100万は捻出する必要がありました。

塾講師、家庭教師などで最低限のお金は稼いでいましたが、あまりバイトの
時間を入れると肝心の勉強が出来なり、それは本末転倒だと思いました。

化学の勉強がしたくて大学に入ったのに、バイトばかりするのはおかしい、と。

それで、効率のいい稼ぎ方を研究しました。
楽に稼ぐ、というより、時間効率の良さを重視しました。

まずネットサーフィンをして、大学で相談しました。

本屋で立ち読みをして情報を集め、
努めていたスーパーの店長さんに声をかけたり、
知り合いの社長さんと食事をした際に相談をしたりもしました。

その過程で出会ったのが投資です。
なかでも当時流行していた株式投資という分野に挑戦してみる事にしました。

 

20冊程の専門書籍を読破し基礎的な知識のキャッチアップが完了すると、
kabu.com証券で口座を開設し準備は完了しました。

学費、入学金を払った後に残ったなけなしの17万を元手にし、大学生、兼、トレーダー
としての生活を1回生の10月から始めました。

 

僕は夜な夜なチャートを分析し、銘柄絞りや、エントリータイミングの
研究を行う事が日課になりました。

もともと時間効率がいいだろうと思って始めた投資ですが、リサーチにかなりの時間を
要してしまっていたので、今から思えば決して効率がよかったとは思えません。

元手も少なかったですしね。

ただ、大きな負けをくらう事もなく大学の学費は十分に払える程は安定して
捻出する事が出来ていたので、まずまずの成果だったと思っています。

 

3回生からの専門過程では太陽電池の研究をテーマに選びました。

それも通常のシリコン製太陽電池ではなく、酸化チタンと太陽エネルギーを効率良く
吸収する色素を用いた全く新しい色素増感太陽電池というものです。

シリコンを用いない為コストが安いというメリットがありますが、耐久性や変換効率が
低いというデメリットがありました。

その太陽電池の発電効率を上げる事がメインテーマで、
ガラス基板に酸化チタン溶液を塗る→炉で焼く(このサイクルを5~9回)、
色素の溶液に浸して酸化チタンに色素を沈着させる、
効率を測定する、
という事をひたすら繰り返していました。

「研究」というと響きはいいですが、ぱっと見はひたすら作業に没頭する
「職人」です。
学部を卒業し、大学院でも継続していましたが3年目ともなるとまるで
「熟練工」でした(笑)

そんな熟練工の僕ですが、大学院1年目の春に大きな転機が訪れます。

 

当時僕は大阪で音楽関係の仕事の事務をしていた彼女と付き合っていました。
彼女の職場は慢性的な人手不足の為に超激務で、客観的にみても完全な
ブラック状態でした。
片道1時間半かけて朝9時に出社し、帰宅は毎日深夜、それでいて手取りは15万。。

音楽関係の仕事がしたいと夢を持って働いていた彼女ですが、僕からみれば
ただ搾取されているようにしか見えませんでした。
そのせいで体調も壊しかけていました。

これはアカン。どげんかせんといかん。
(九州と、関西でそれぞれ10年以上暮らしていたので方言入り乱れです)

それでつい押しちゃったのです。いわゆる「男気スイッチ」

よし、大学院辞めて、結婚して、働こう、と。

(注)男気スイッチとは
  →男の体のどこかに存在する闇のスイッチ。
   何かのタイミングでそれを押してしまうと男は男気全開の行動をとってしまう
   という素晴らしくも、恐ろしいスイッチである。

大学院1回生で卒業に必要な単位は取得していたので、後は卒論さえ提出すれば
卒業は簡単に出来ました。

そうすれば修士という学位も手に入ったのですが、僕はその道を選びませんでした。

夏休みに社会経験として六本木にあるIT企業のインターンシップに参加していて、
人事の方とも懇意にしていた関係で、事情を話せば1年前倒しで雇ってくれるという
便宜を図ってくれると言ってくれました。

ただ僕の先行は化学工学でITは全くの畑違いです。
同級生はみんな大手の化学メーカー、化粧品メーカー、医薬品メーカーなどに
就職しています。

太陽電池の研究をしていたので僕もシャープに就職したいなと考えていたし、
シャープの人事の人ともコネクションがあったので、おそらくその気になれば
就職できました。
(今思えばシャープに就職しないでよかったと思いますが、当時はテレビ事業で
めちゃくちゃ業績が良かったんです)

 

それでも、男気スチッチを押してしまった僕は後戻り出来ません。
周囲は当然猛反対でしたがなんとか説得し(なかば強引に)、
結婚、中退、上京、就職
という人生の一大イベントを1ヶ月の間に駆け足で経験していました。

今思えばですが、流石にやり過ぎでしたね。
若さゆえの行動です(笑)

次回は会社員時代の話をします。

スポンサードリンク

コメントはこちらにどうぞ♪

このページの先頭へ