ブラック企業で過労死すれすれの社畜だったからこそ見えた一筋の光
ここ数年何かとニュースで話題になる事が増えてきたブラック企業。
その特徴は
・長時間労働で休日が少ない、有休が取得しずらい
・残業代が出ないなど給料が低い、昇給もしずらい
・労働条件が悪いので、離職率が高くなりがち
と様々なのですが、誰にでもわかる言葉で単純明快に表現すると
激務薄給
という言葉が最もしっくりくると思っています。
僕が勤めている会社は”入ってはいけない業界”と一部の人から揶揄(やゆ)される事もあるIT系で、主にシステムの開発と販売を行っている会社です。
初任給だけは平均より高く設定し、優秀な人材を大量に採用するも、研修と称して過酷なノルマを与え突破出来ない者は容赦なくクビ。
年棒制、フレックスタイム、固定残業手当というと聞こえは良いが、その実態は長時間タダ働き制度。終電帰り、土日出勤(もちろん無給)は日常茶飯事。
はい、どう控えめに解釈してもブラック企業に該当してしまいます。
これがなかなかのブラックさで、実に黒い。
離職率はメチャメチャ高く、200人近くいた同期も今はかろうじて2桁を維持している程度。
憧れていた非常に優秀な先輩は、仕事が出来るゆえに仕事が集中し過ぎ、その結果オーバーワークがたたり、出張先の海外のホテルで過労死。
隣の席で僕が指導していた後輩の女の子は妊娠中にも関わらず容赦ない仕事のプレッシャーが原因で流産。
労働基準監督署から会社に指導が入る事もしばしば。
厚生労働省はブラック企業リストなるものを公表していますが、あんなのの氷山の一角ですし(相当なブラックであるうちの会社は載っていないし)、そもそも一役所が労働現場の全体を把握する事は不可能です。
ブラック企業リストにどこまでの効果があるかは不明ですが、このリストのおかげで労働環境が劇的に良くなると期待している人も皆無だと思います。(そんな”頭お花場畑”の人がいたらちょっとヤバイのですが)
ちなみに、ブラック企業リストと同様に、民間企業が独自調査しているホワイト企業ランキングなるものもありますが、こちらも全然当てになりませんよ。
ホワイト企業ランキングに載っているから安心して就職先に選んだ~という行為も非常に危険です。これマジです。
僕の現在の仕事は主に企業の問題を解決するコンサルで、ホワイト企業ランキングに名を連ねている企業も数社担当しています。これらの会社に訪問をし、社員の方と話す機会も当然多いいのですが、そこの社員の方の目は死んでいたりする事が多々あります。労働の実態をそれとなくヒアリングしてみると、もう完全に真っ黒クロケのブラックです。
(守秘義務があるので、社名とかは絶対に書けないのですが皆さん知っているような大手企業です)
話を僕の話に戻します。
人の心配している場合ではなく僕もブラックな現場にいるのです。入社後数年はなんとか持ちこたえたものの、ある時突然心が折れてしまい、精神的におかしくなる一步手前まで追い込まれました。家で妻に当たってしまう事も劇的に増えてしまっていました。
ちょうどその頃、疲弊し過ぎて自暴自棄になったのか、何かが吹っ切れたのか、ふと全てを他人事として客観視するような瞬間があったのです。
「家族を守る為に、幸せな生活を得る為に仕事を頑張っていたつもりなのに、なんでこんな事になっているのだ?」
「自由に生きる為に働いているはずなのに、命を消耗してまで働くというのは本末転倒じゃないか?」
日本の成長を支えてきた父親世代の企業戦士の方々から「アホ、甘えた事ぬかすな!!」と叱られそうで怖いのですが、これが僕の偽らざる本音でした。
でもですね、
それでもあえて言ってみたい。
一度普通に考えてみてくだい。中学生くらいの知識で、小学生3~4年生くらいの思考力でシンプルに考えてみて下さい。
この100年程で世界は恐ろしく大きく変化しました。
農業機械、農業技術の進歩のおかげで安定して大量の農畜産物を確保できるようになったのです。
車を中心に輸送技術の発達のおかげで、ヒト・モノ・カネの移動が容易になりました。
世界中に張り巡らされたインターネット網は情報を一瞬にして、地球の裏側の人に伝達できるのです。
小さい紛争はともかく、世界中の国を巻き込んでの大きな戦争はここ70年は起こっていません。
世の中は日に日に進歩し、成熟して、便利になっているのです。
自然に考えれば、僕らは便利さに比例して幸せになっていないとおかしいはずなのに、そうはなっていない人があまりに多い。
100年前の人の幸福度と現代のそれを単純に比較する事なんて無理だけど、単純な感覚としても、僕らはもっともっと幸せに生きていいはずなんです。
僕が子供の頃から少子化は日本最大の問題だと言われ続けていますが、この問題は幸せに生きる事が出来ていない日本の貧しさに全ての原因があると考えています。
女性の社会進出、アダルト映像の氾濫、託児施設の不足、男の魅力が下がった・・・など様々な原因が考えられていますが、最大の理由は、僕らが幸せに生きる事が出来ていないからではないですか。
毎日6時までには必ず帰宅して、家族でゆっくりと食事し、夫婦間でスキンシップを十分にとって夜は時間をかけてのセックス。
そんな風景が日常になれば、少子化なんてあっという間に解決するはずです。
(我が家では結婚後4年間子供を授かりませんでしたが、原因は恐らくブラックな労働環境のせいです)
小難しい事を考える事が好きな人間だってただの動物で、本能では子孫を残したいとプログラムされているんです。それが阻害されているなら、それは社会がおかしい、社会に矛盾が生じているんです。
本来ならもっと幸せになれるはず、しかし、実際は日々疲弊・消耗しながら働き日々の生活に追われる。そんなギャップが少子化という問題として顕在化してきたと思っています。
じゃあなんで、社会は発達して豊かになったはずなのに、ブラック企業で疲弊している人がこんなにも多く存在し、それは減るどころか増えているのか?
その原因は所得格差が拡大し、富の二極化が大きく進行している為ではないでしょうか。
金持ちはメチャメチャ持っているけど、持っていない人はますます貧乏に。
また金持ちはお金を稼ぐ仕組みをどんどん強化し、既得権益として継承したりする知恵も使っています。金持ちは子供に大金をかけて最高の教育をするのは既得権益を上手く子供に渡す為で、今の世界では貧富は世襲されるんです。
僕はこの既得権益を持っている人が昔から大嫌いで、人生において最強最悪の敵として戦ってきました。
僕は自由に好きなように生きたいと強く願っているのだけど、いつも既得権益をもっている彼らが邪魔ばかりしてくるのです。
(このブログでは既得権益を持っている人らを”彼ら”と表現しています)
彼らの魔の手から抜け出したい、自分の人生を自分で生きたい
そういう気持ちが心の奥底からフツフツと湧いてきたのが僕の活動の原点なのです。
ブラック企業で心底苦しんでいた時は具体的にどうしたらいいのか、どうすべきなのか、どうやって彼らと渡り合えばいいのか全くわかりませんでした。
しかし、無心になって心から湧き出た思いは、一筋の光として確実にそれ以降の僕の人生に大きな影響を与える事になったのです。
純粋な人ほど利用され、時には騙され、ずる賢い人ほど、巧みに出世コースを歩んでいったり、いつしか既得権益をちゃっかり確保していたりする。
僕は、昔から恐ろしいほど不器用な人間でした。人生の節目節目で確実に挫折と失敗を繰り返してきました。だからこそ、人生の真実のようなものの片鱗が垣間見えたような気もするから、そのことだけは幸いでした。
次回以降の記事では、僕が感じとった一筋の光を頼りに彼らから如何にして自分の人生を取り戻したのかをお話していきます。