ヘーベルハウスの営業さんは”家を”売っていた

30代も中盤になり、子供も2人になりました。
いつの間にか、ぱっと見は立派なパパです。

今は2LDKの賃貸で家族4人仲良く暮らしていますが、
年々子供の玩具や本、服などが増えだんだん手狭だと
感じるように。

それで、そろそろ賃貸ではなくマイハウスが欲しいな~
と思うようになってきたので、2016年辺りからぼちぼち
近所の住宅展示場を訪ねてハウスメーカー研究をして
いたのです。

家って普通は一生で一度の買い物で、何千万円もする高価なものであるにも
関わらず、工法や性能が建てるメーカーさんによってバラバラなのです。
・鉄なのか木なのか
・昔ながらの軸組なのか、壁で構造を作るのか
・換気方法は第何種換気なのか
・断念剤は何を使っているのか
・外壁はサイディングなのか、タイルなのか

検討すべき要素(ファクター)は数多く、とても素人の僕が
その全てを把握する事は非常に困難です。

各ハウスメーカーや工務店さんはまず独自の考え、
コンセプトを持ちます。
そしてそのコンセプトに合うように各要素から最適な選択をし、
独自の家を作り上げているのです。

特にハウスメーカーさんにその傾向が強く、
パナホームさんのCASART(カサート)、
積水ハウスさんのSHAWOOD(シャーウッド)、
ダイワハウスさんのXEVO(ジーヴォ)、
などの商品となっているものはそのような考え方で、標準となるべき仕様を
選択しています。

前置きが長くなりましたが、本題に入ります。
今年の正月は妻と子供が帰省していた為一人でのんびり過ごしていました。
お酒飲んで映画みて、読書しては昼寝して、という生活も3日になると
少々飽きてきたので、近くの住宅展示場を訪れ、これまで気になっていた
ヘーベルハウスさんに行ってみました。

ヘーベルハウスさんというと、資産価値が落ちにくい家というイメージです。
中古物件を検索していると、ヘーベルハウスさんで建てられた家はその事を強く
アピールしておて、売値も強気の価格を設定されています。

それでわくわくしながら(内心は少々緊張して)訪れると、
若手の営業さんが出迎えてくれました。
とても気さくな方で緊張がややほぐれました。

簡単なアンケートの記入をお願いされ、書き終わるとヘーベルハウスさん
の特徴を丁寧に教えて頂きました。

重量鉄骨で業界一番頑丈な作りだとか、
ヘーベル版というコンクリートを外壁に使用しているとか、
これは特許技術だとか、
まあこれでもかというくらいの説明でしたが、その用意周到さの為か
若干引いてしまっていました。

なかでも強烈だったのが阪神淡路大震災の時の写真で、
焼け野原に1件だけ残っている家の写真です。
まさかとは思いましたが、これがヘーベルハウスの家で、
どうです凄いでしょう!
というオチなのです。

性能が凄いのはわかりましたが、実際に大阪で大震災を経験し
6000人もの人が亡くなった震災を営業に利用するというのは・・・
なんとはなしに、感覚が違うのかなと思ってしまいました。

ヘーベルハウスさんに家造りをお願いするとなると、この営業さんが
担当になるので、この感覚のズレを持ったまま果たして家づくりなど
出来るのかなと不安になりました。

しかし、それでも家の性能やインテリアデザインなどに関しては素直に
良いなと思えたので、検討するハウスメーカーの候補の一つにしようと
思いました。

そこで、新築で家を検討している地域、予算、建てたい時期などを詳細に伝え
ヘーベルサンならどのような家が建てられるか、土地探しも含めて提案をして
欲しいとお願いしたところ信じられない答えが帰ってきました。

営業さん:
「それは出来ません、順番が違うからです」

筆者:
「順番が違うとはどういう事ですか?」

営業さん:
「あなたは他のメーカーさんも検討されているようですが、
まずはうちの家のファンになって下さい。
うちの家に惚れこんで下さい。
土地と条件があえばうちで必ず家を作るというお気持ちになって
頂くのが第一で、それまでは土地探しや提案は出来かねます。
なので、建築中の現場の見学や実際にヘーベルハウスに住まわれて
いる方のお宅に訪問し、どれだけ素晴らしいかをまずは知って下さい」

筆者:
「なるほど、わかります。ただ僕は、住宅の環境であったり、
生活をする上での最適な間取り、光や風の流れなどを重要視しています。
家そのものに住むというより、総合的にヘーベルさんにお願いした場合
どのような生活が出来るのかというプランの提示をして頂きたいのですが・・・」

営業さん:
「順番が違いますよ。よく皆さん誤解されていますが、
まずは家そのものです。住むのは土地ではなくて家でしょ?
だからまずはうちの家のファンになってもらえなければ、
土地探しも間取りの提案も出来かねます」

筆者:
「あ、そうですか。わかりました・・・・」

僕と営業さんのズレがどこにあるかわかりましたか?

営業さんは、ヘーベルハウスという家そのものを売っているのです。
大震災がきても倒れず、燃えない頑丈な家はうちだけだ。
だからうちが一番。
というロジックですね。

 

それに対して僕が営業さんに求めたのは、ヘーベルハウスさんで

家を立てた場合、どういう生活ができるのか?という事が知りたいし

その観点で提案をして欲しかったのです。

 

僕は家が欲しいのではありません。
家を買う事で、今後家族とどういう生活が出来て、どんな楽しい

思い出が残せるのか、というライフスタイルを買いたかったのです。
鉄で出来た頑丈な箱に何千万は払いたくはありませんが、家族との

貴重な思い出の為になら喜んでお金を払うのです。

 

僕が遭遇した営業さんだけの事かもしれません。

その方との相性がたまたま合わなかったとも思えます。
ただ、これだけ大企業の営業なのでその手法は恐らく

マニュアル化されていますし、今回僕が体験した営業手法も

ひょっとしたらデフォルトのヘーベルハウスさんの手法なのかも
しれません。

 

真相はわかりませんが、少なくともヘーベルハウスさんは

この営業により見込み客を確実に一人は失ったというわけです。

 

PS.
ネットで調べたら阪神淡路大震災の写真を営業に使うのはヘーベルハウスさんの
常套手段のようです。。。
確かにインパクトある写真ですが、人としてどうしても共感はできませんね。

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